旧北炭幌内変電所の続きです。
鬱蒼と生い茂る木々の隙間から、数々の遺構が存在を主張してきます。
ここは三笠ジオパークのエリアの1つに指定されています。


入口に立った時には、辺りはもう薄暗くなり始めていました。時刻は18時20分頃です。
これでもかと羽虫が集って来ます。ほとんどはアブです。一際大きな羽音で威嚇してくるのはハチです。じっとしてるとアブに体液を吸われますし、唐突な動きをするとハチに刺されるリスクが高まります。
虫除けスプレーの準備もなければ、格好は半袖のTシャツでした。引き返すのが賢明な判断のはずです。
しかし、その先に何があるのか。それを見てみたい誘惑には勝てませんでした。


気を付けなくてはならないのは、アブとハチだけではありませんでした。
非常に危険な痕跡を見つけてしまいました。熊の爪痕です。生々しく遊歩道に刻まれていました。
細心の注意を払いながら探索を続けました。



炭鉱周辺には、美しい緑に覆われた遺構がいくつもありました。
何に使われていた建物なのかは、その外観からはもう分かりません。



遺構の中に誘うかのように小道が出来ていました。
中に入ってみると、戦争映画のセットのような光景が広がっていました。静寂と冷気に包まれています。あれだけ集って来た虫が一匹もいなくなりました。




羽虫との戦い、そして熊への警戒心と、夕暮れが告げる暗闇までのタイムリミットが歩みを早めます。
建物以外にも、そこかしこに炭鉱の痕跡が残っていましたが、じっくりとみる時間はありませんでした。


三笠ジオパークとして管理されているはずの場所なのですが、まるで人間の侵入を拒むかのように、大自然が遺構を覆い隠していました。
人間はあくまでも少しの間、大自然から場所を間借りしているだけだと、そう感じました。
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次の旅は「稚内はどんなところ?」についてです。