カンボジアといえば何を思い浮かべますか?
世界遺産のアンコールワット遺跡でしょうか?それとも内戦時に仕掛けられた地雷の除去、あるいは井戸掘り事業といった無償の国際支援を必要とする経済発展途上国でしょうか?
それらは確かにカンボジアの一面ですが、私ラム肉食べ太郎は、2023年12月に首都プノンペンを訪れましたので、その時のカンボジアの様子をいつもの主観でお伝えしたいと思います。
ちなみにカンボジアはインドシナ半島の南部に位置するため、季節は雨季と乾期に分かれますが1年を通して30度を超える気温が続きます。また、面積は日本の約半分で、人口は約1600万人台、平均年齢26.5歳です。
カンボジア王国の現在
1970〜1990年代まで続いた内戦により、多くの犠牲者が出ると共にインフラや社会システムが破壊され、カンボジア国内は疲弊し切っていました。
しかし、それ以降は国際社会からのODA(政府開発援助)などの支援を受けていることから、特に2000年代に入ってからの経済成長は目まぐるしく、2009〜2010年のサブプライムローン問題を発端とした世界同時不況の時を除き、2020年にコロナ禍に突入するまでは6.5%以上ものGDP成長率を維持して来ました。そして2023年現在ではコロナ禍の影響から抜け出しつつあり、再び経済成長の勢いを取り戻すと見られています。
国際通貨研究所のレポートによると、ウクライナ危機に伴うエネルギー価格高騰の問題などの影響を受けやすい、比較的脆弱な経済構造であるため楽観視はできないものの、今後数年で国連による後発開発途上国の指定が解除される見込みであると記載されています。
実際にODA(政府開発援助)だけでなく、中国を中心とした民間企業資金も多額投入されており、自立した経済発展のフェーズに差し掛かっていると感じました。
【参考】国際通貨研究所:https://www.iima.or.jp/docs/newsletter/2022/nl2022.35.pdf
数少ないプノンペンの観光地
外国人旅行客としては異国の街並みを歩いて周るだけでも十分楽しいものの、首都プノンペンに限れば観光地らしい観光地は数えるほどしかありません。
しかも、代表的な観光地であるトゥールスレン虐殺博物館やキリング・フィールドは、1976〜1979年にかけて国民の4分の1にあたる170〜180万人を虐殺したといわれるポル・ポト政権の負の遺産であり、決して楽しい場所ではないのです。
もちろん王宮や国立博物館については見応えがあり、少し足を運べば有名なアンコールワット遺跡もありますので旅行先として決して退屈はしません。
アミューズメント系の楽しさ(プール以外で)を求めるのであれば繁華街にナイトクラブなどもありますが、私が期待したのは「ダイヤモンドアイランド」でした。
「ダイヤモンドアイランド」とは、プノンペン中心に近く、トンレサップ川とメコン川の合流点となる中洲に位置する、中国の莫大な額の民間企業資金が投入されている新興開発地域です。
中国は無計画かつ乱雑な開発・投資を行う印象を私は持っており、あまり好意的には捉えていないのですが、ダイヤモンドアイランドには「Children Park Koh Pich」という 子供向けのショボい 遊園地があるとの情報を手に入れました。
廃墟 テーマパーク好きとしては行ってみるしかありません。
なお、余談ですが中国は2013年に一帯一路政策を掲げ、欧州へと繋がるアジア各国への陸路・海路の開発を進めており、その一環でカンボジアにも中国資本が多く参入しています。
しかしその実態は「開発援助」という甘い言葉で、発展途上国に返済し得ない莫大な債務をわざと負わせ、中国が開発した港や空港などの重要インフラの権益を奪うことで、経済的あるいは軍事的に中国の覇権拡大に繋げていると言われています。
中国は借金漬け外交すなわち債務の罠を仕掛けている状況であり、ベトナム政府などは中国を警戒していますが、カンボジアは依然として中国依存を続けており、行き着く先に不安を感じています。
遠すぎた橋
私はダイヤモンドアイランドにあるというテーマパーク「チルドレンパーク」を一目見るべく、もう日が沈もうとしている17時半頃に私はGoogle Mapに促されるままにテーマパークまでの道のりを歩いていました。
1992年に日本のODAによって、内戦の爪痕から復旧した「カンボジア日本友好橋」を渡ってダイアモンドアイランドへと渡ります。
正確にはダイアモンドアイランドだと思っていた場所へ渡ります。迷子の始まりでした。
本来渡る予定だった橋は「カンボジア日本友好橋」ではなく「スワン橋」という短い橋でした。
ダイヤモンドアイランドは小さく、歩いても南北で20分程度、東西に5分程度の広さしかなく、ちょっと観光するのにはちょうど良い広さだと思っていました。
実際に渡った「カンボジア日本友好橋」は橋だけで徒歩17分(1.2km程度)の距離があり、この時から違和感を覚えるべきでした。
しかし、橋の途中でたまたま現地の親切な大学生がスクーターの後ろに乗せてくれたため、距離をあまり感じることなく渡りきってしまったのです。
私は「ダイアモンドアイランド」ではなく「クルーイー・チャングバー・ディストリクト」という場所に来ていましたが、ここにもテーマパークはありました。
とても不思議なテーマパークでした。
時間帯が悪かったのか、それとも曜日の問題なのかひと気がなく、薄暗がりの中にイルミネーションが光る様は、子供を誘き寄せて食べてしまおうとピエロが笑みを浮かべながら待ち構えていそうな雰囲気でした。
Google Mapで調べてみると、ここは「Chroy Changvar City Theme Park」というらしく、目的地であった「Children Park Koh Pich」とは違う場所に来てしまったことにやっと気が付いた瞬間でした。
しかしすぐ近くにもうひとつテーマパークがあることが分かりました。
テーマパークの名称は「Dinosaurs Alive」直訳して「生きている恐竜たち」だそうです。
なんて面白そうなんだ!行くしかない!
雑な開発に警鐘を
新たな目的地を見出した私ラム肉食べ太郎は、周囲を観光しながら歩んで行きます。
この広大なメコン川流域の中洲のような場所に位置するこの場所は、将来的には開発が進んで行くのでしょうか。
大きな道路が通っているものの空き地が目立ち、たまに高級そうながらも誰も住んでいなさそうな利便性皆無そうなマンションが立ち並んでいます。
高層建築物がまだまだ少ないカンボジアなので、高級住宅街にして行く想定なのかもしれません。
建築中のマンションを見て違和感があったのですが、その正体に気付いた時は驚きました。
そう、日本の建築物ではパネルや布のような覆いに囲まれて、このように建設途中の建築物を直に見渡せる機会はないのです。
つまり安全性に問題があり歩行者は飛来物に打たれる危険に晒されるということなのです。
さて、次回の記事では「生きている恐竜たち」という見どころ(ツッコミどころ)満載のテーマパークについて投稿したいと思います。
久しぶりの投稿ですが読んでくれたら嬉しいです。
ちなみにプノンペンにはテーマパークがやたら多くあるものの、どれも中途半端ですぐに廃れてしまうようです。
2024年6月27日現在、Google Mapで改めて確認してみたところ目的地であった「Children Park Koh Pich」は閉業となっていました。
計画的で持続可能な開発の重要性が良く分かりますね。
次回の記事「首都プノンペンの恐怖遊園地:カンボジア編②」は「こちら」です。
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