はじめに
今回は、ラム肉食べ太郎が挑戦してみたかった、映画紹介の記念すべき第1弾である。
以前「映画から学ぶ新型コロナウイルス:コンテイジョン」と言う記事を書いたが、これは映画の内容が主旨ではなかった。
ラム肉食べ太郎の視点から見た映画紹介を通して、「この映画を観てみたい」と思ってもらうことが目標とするところである。
では、早速であるが、映画「オペラ座の怪人」について書いて行きたいと思う。
「オペラ座の怪人」と言えば、ストーリーを知らない人でも、少なくとも存在だけは知っているのではないだろうか。原作はフランスの作家、ガストン・ルルーによって、1909年に書かれた小説であるが、名作故に、これまでに何度も映画やミュージカルとしてリメイクされている。
日本でも劇団四季(公式)によって、今でも絶大な人気を誇るミュージカルとして、公演が続けられている。
そんな数ある「オペラ座の怪人」の中で、今回私が書くのは、2004年にエミー・ロッサム主演でアメリカにて作成された、映画版の「オペラ座の怪人」である。
この映画は一言で表せば「名作」だと思った。ミュージカル映画ならではの、美しい音楽の旋律に、芸術性の高い映像美と、飽きのこないストーリー展開が見事に調和している。
解説
物語は白黒映像で始まる。1919年、とうの昔に閉鎖されたパリのオペラ座でオークションが開催される。そこに車椅子姿の老人が、付き添い人と共に現れるが…
読み始めて早々「つまらなそう」って思った人、絶対いるでしょう?
私の友人達に言わせれば、「古臭い」「眠くなりそう」「つまらなそう」などと述べて、手に取ることすらしないのである。
だから今回は、歴史的背景だとか詳細は全て取り払って、とにかく観たいと思って貰えるように工夫して書いてみたいと思う。内容としては「ベタな恋愛映画」であるため、ネタバレは気にせずに、オチまで含めて書く。
以下、ネタバレ注意。
人物紹介
・ファントム
先天性の障害を顔に負っているが故に、少年の頃にフリークショーで見せ物となっていたが、見物に来ていた同い年くらいのオペラ座の寄宿生に助け出されて以来、ひと目を避けてオペラ座の地下に棲みついている。音楽の天才であり、建築や芸術の才能も持ち合わせている。
「オペラ座のゴースト」と異名を持つ程に、正体を隠しつつも、オペラ座にその才能を押し売りしている。また、ヒロインのクリスティーヌに、彼女の父親が天国から送ってくれた「音楽の天使」だと思い込ませ、幼少期から音楽を教え込んでいる。
クリスティーヌに対しては偏執な程に憧れと恋心を抱いている。最終的にはクリスティーヌが63歳で亡くなった後も、お墓に彼のシンボルである赤い薔薇を供える程である。恐らく、習慣的にストーカーし続けていたのだと思う。
・ラウル
ファントムの恋敵である。ファントムから見たら、いきなり登場して来たと思ったら、愛おしのクリスティーヌを奪い去ろうとする、いけ好かない色男である。ラウルからすればクリスティーヌは幼馴染みであり、恋に落ちるのも当然の流れの如くだった。それなのに急にストーカー(ファントム)が飛び出して来て、鼻息荒く突っかかって来るのだから堪らない。
・クリスティーヌ
ファントムによって美しい歌声と、活躍の場を与えられたヒロイン。ファントムは音楽の先生としては優秀かも知れないが、レギュラーの歌姫への妨害工作を繰り返してまで、クリスティーヌを歌姫に仕立て上げようとして来るので、有り難迷惑に思っている。と言うより怖いよね。
ストーリー
人物紹介で大体ストーリーは見当が付いていると思うが、遂に歌姫としての頭角を表したクリスティーヌに、幼馴染みの色男ラウルが言い寄って来る。紳士で金持ちでオペラ座の後援者でもあるラウルは、まさに白馬の王子様だ。
このままではクリスティーヌが奪い去られてしまう。焦るファントム。「彼女に音楽を与え、歌姫にまで育てあげたのはこの私だ。だからクリスティーヌは私のものだ。」
無茶苦茶だが、間違いを正してくれる友達のいないファントムにとっては、持論は正論。遂に実力行使に出る。クリスティーヌの拉致だ。
拉致されたクリスティーヌは、とうとうファントムの正体を知ることとなる。招待された彼の秘密基地には、手作りのクリスティーヌ人形(大・小)があったり、似顔絵があったり。「あれ?もしかして、この人やばいんじゃない?」
それでもファントムの素晴らしい歌声と、女性が喜ぶ演出でアプローチされて虜になる単純なクリスティーヌ。だけど好奇心旺盛なクリスティーヌは、ファントムの仮面を外して醜い素顔を見てしまった。
取り乱して暴れるファントム。顔じゃなくてその余裕のなさがダメなんだ。クリスティーヌはドン引きだが、情に訴えればもしかしたらまだ口説き落とせるかも知れない。頑張れファントム。
それから正統派のラウルと、変則的なファントムとのクリスティーヌを巡る恋の駆け引きが続く。翻弄されるクリスティーヌ。これからどうなっちゃうの?
小細工を仕掛けてはクリスティーヌの気を引こうと試みるファントムだが、ラウルの方が一枚上手だ。癇癪を起こして、人を殺める程に暴走し始めるファントム。時々正気に戻って、勝手に仕切り直しては、何事もなかったかのように再びクリスティーヌに小細工を仕掛けて来るもんだからタチが悪い。モテない男は往々にして悪手を指すものだ。
しかも取り返しが付かなくなるまで突き進んでしまう。シャンデリアを落として、満席のオペラ座を焼き払い、クリスティーヌを例の秘密基地に拐う。2回目のご招待である。
後を追うラウルは、秘密基地を発見するも、その場でファントムに捕まってしまう。もう少し身体を鍛えた方が良い。
クリスティーヌに選択を迫るファントム。「私の愛を受け入れて、ラウルの命を助けるか。それとも私を拒んで、ラウルを死に追いやるのか。」完全に脅迫である。だけどファントムはどうしてもクリスティーヌに側にいて欲しかったんだね。
この時まで思わせぶりな行動をちょくちょく見せては、はっきりとファントムを拒んで来なかったクリスティーヌ。あんたも悪いよ。選択を迫られ、ラウルを救うためにファントムを受け入れることに決めたが、ファントムへの同情の涙は氷つき、憎しみの涙へと変わっていた。
ファントムにキスするクリスティーヌ。形はともかく、ファントムあんたの勝利だよ。おめでとう。
ところが純情なファントムは、クリスティーヌの情けのキスに感無量だ。猛烈に押し寄せて来る後悔と、良心の呵責に2人を解放し、永遠に姿を消した。困難を共に乗り越えて絆を深めたクリスティーヌとラウルは、生涯仲良く暮らしましたとさ。めでたしめでたし。
まあ、ファントムはクリスティーヌが亡くなる日まで、2人をこっそり見守ってたと思うけどね… となると、今度はクリスティーヌの娘が心配だ。音楽の天使には気を付けろ。
まとめ
かなり茶化して書いたが、ストーリーは大体こんな感じである。実際は、観始めてさえしまえば、音楽と映像の美しさに引き込まれて没頭してしまうに違いない。ラム肉食べ太郎のイチオシの作品である。